股関節の痛みでお困りの方は多いです。
このブログをお読みいただいているという事は、股関節に何らかの痛みや違和感をお持ちだと思います。
このグラフは、平成22年と平成25年を比較した、世帯員の健康状況の性別にみた有訴者率の上位5症状ですが、赤丸が「手足の関節が痛む」に「股関節の痛み」「変形性股関節症」も含まれています。
男性の平成22年は第5位41.4ポイント、平成25年は同じく5位で41.8ポイント
女性の平成22年は第3位71.4ポイント、平成25年は同じく70.3ポイントとなっています。
実数では無いですが、女性の方の方が多いと言えます。
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変形性股関節症・股関節の痛みの原因
患者さんの多くは女性と言いましたが、原因の多くは「発育性股関節形成不全」の後遺症や「股関節の形成不全」といった子どもの時の病気や発育障害の後遺症が主なもので股関節症全体の80％といわれています。
最近は高齢社会となったため、特に明らかな原因となる病気にかかったことが無くても加齢とともに股関節周りの筋力の低下が原因で「変形性股関節症」や「股関節の痛み」を発症している方も多くなっています。
変形性股関節症・股関節の痛みの主な症状
股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。
股関節は鼠径部（脚の付け根）にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じるようになり、進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)を感じるようになります。
痛みを感じなくても、日常生活で、足の爪を切りにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になり気づかれる方もおられます。
また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来たすようになり、階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要となります。
関節は一生に一個しかありませんので、「変形性膝関節症」と診断されたらまず負担を減らして大事に使うということが大切です。
初期のうちでしたら、自分自身の関節の調子を観察していただき、国家資格を持った治療家に相談し、“日常生活”と”痛みを悪くしない使い方”をよくマッチさせることが大切です。自分自身で判断すると、逆効果になる場合もありますので、ご注意ください。
痛み止めを使うこともあると思いますが、できれば調子の悪い時やどうしても負担をかけなければならない時に限定して使うほうが良いと思います。
変形性股関節症・股関節の痛みでやってはいけないこと
「変形性股関節症」など「股関節の痛み」がある時「禁忌(きんき)肢位」と言ってやってはいけない姿勢というものがあります。
やってはいけない、してはいけない！禁忌肢位を知らずに、日常的にその動作や姿勢を繰り返すことで、股関節に大きな負担がかかり変形性股関節症の症状を悪化させる恐れがあるので注意が必要です。
股関節に限らず、カラダに痛みがある方は、「痛み」を探ろうと「こうしたら痛いかなぁ」「まだ痛いかなぁ」「これは大丈夫」と動かしてしまいがちです。
首や腰なら痛くても動かした方が回復は早まるのですが、股関節は違います。絶対に確かめるために動かさないでください。
しかし、痛みがあるとどうしても歩かなくなり筋肉が衰えてしまいますので、運動は必要なのですが、先ずはやってはいけないことを覚えてください。
股関節を内側にねじる
変形性股関節症では、股関節を曲げて膝を内側に入れる動作は、やってはいけない姿勢になります。
また日常生活でやりがちな「正座」や「あぐら」なども股関節に負担がかかりますので、変形性股関節症の人は地べたに座るのではなく、椅子に座った方が良いでしょう。
同様に寝る姿勢も布団からベッドやマットレスに変えて起き上がる場合の負担を減らすことをお勧めします。
しゃがむ
お風呂で使う様な低い椅子で立ち座りの繰り返しや、和式トイレ(探さないとないですが)などでしゃがむ動作、ズボン、靴下などの着替えなども股関節に負担がかかってしまいます。
そのため、基本的にしゃがむという動作や姿勢などはやってはいけない姿勢になりますので、背の高い椅子を使う、和式トイレは洋式トイレにするなど、生活スタイルで変えることができるところは意識して変えていき、しゃがむ姿勢はやってはいけない姿勢だと、認識して生活するようにしましょう。
無理な姿勢や間違ったストレッチ
ストレッチや、軽いウォーキングなどの運動は、正しくおこなうことで股関節のまわりの筋肉にしなやかさと張りができ、変形性股関節症の痛みの緩和に効果が期待できます。
ただし、無理な姿勢でのストレッチや反動を付けた柔軟体操はやってはいけない姿勢になります。
ストレッチなどを行う場合は、正しい姿勢を専門家に指導してもらい、姿勢に気を付けながら、徐々にジワーッと伸ばすような軽めのストレッチを行ってください。
毎日、継続してできることが大切です。
ストレッチでも例えば、開脚前屈など股関節を広げるような姿勢でのストレッチも疼痛が増強するおそれがあるため、やめておいてください。
ただし、水中ウォーキングやエアロバイクでの運動など、股関節の負担の少ない運動は脚の筋肉を鍛えることに有効です。
無理のない運動、無理のないストレッチを心がけてお取組みください。
「やってはいけないこと」と書きながら、中に「やってほしいこと」も含んでしまったのでまとめると
NG
- 股関節を内側にねじる
- あぐらや正座など床に座る
- しゃがむ
- 低い椅子に座る
- 和式トイレ
- 無理な姿勢のストレッチ
- 反動をつける柔軟体操
- 開脚前屈
OK
- 座る背の高い椅子
- 洋式トイレ
- 毎日でも続けられるジワーと伸ばすストレッチ
- 水中ウォーキング
- エアロバイク
- 貧乏ゆすり
股関節に違和感があったり、痛みを感じたりした場合、過去に正座をすることが多かったり、赤ちゃんの時「先天性股関節脱臼」と言われたり、以前に発育性股関節形成不全や股関節の形成不全と診断されたことがあるという方は、早めに専門家に相談してください。
上記の内容で痛みが回復したらいいのですが、自己判断で悪化することもありますし、病院で検査を受けていきなり手術と言われ怖いという方もおられます。
先ずは、専門家に相談し、病院の検査が必要なのか？それともセルフケアで様子を見た方が良いのか判断しましょう。
柔道整復師 村西謙一 監修
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