膝に水がたまるという事を経験する方は案外少ないかも知れません。
しかし、一定数の方が膝に水が溜まって困っておられます。
今、このブログをお読みいただいている方は、少なくても、膝に水が溜まっている、もしくは膝の痛みがある方だと思います。
今日は、膝の水は抜くべきか?抜かないべきか?についてまとめたいと思います。
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Contents
膝に水がたまる理由
まず最初に、なぜ膝に水がたまるのかについてですが、皆さんはなぜだと思いますか?
実は、骨折や靭帯損傷などの外傷、感染、関節リウマチ、痛風、偽痛風など様々な原因で炎症が起こり、水がたまります。
原因によって水の色や性質は様々ですので、判別診断の為に、水を抜くこともあると思います。
そもそも、膝の水(関節液)は、関節の滑りを良くするとともに、関節軟骨に栄養を与える粘り気のある液体でなんですが、関節液は関節内にある滑膜という膜から産生され、正常では関節軟骨の表面を潤すくらいのわずかな量です。
上記した症状以外にも、「変形性関節症」や「半月板損傷」などにより関節の中に何らかの炎症がおきると過剰に産生され水がたまりますし、たまった水を抜き続けることで、「変形性膝関節症」になることもあります。
なぜ膝に炎症が起こるのか?
膝関節に水がたまる理由は、滑膜が様々な理由により刺激を受け、関節液を過剰に分泌している為ですが、膝関節は曲げ伸ばしには強い関節ですが、捻じれることには弱い関節と言えます。
その為、年齢的に若くてもスポーツなどで激しい動きや、無理、負担の大きな動きで膝に強い負荷がかかると膝の中の軟骨が損傷を受けてしまうことで膝関節にダメージが蓄積されます。(実際私も左膝は中高の時のサッカーにより変形しており、水がたまりやすいです)
また、40代以降の中年層や高齢者などでは、日常生活のちょっとした動作を繰り返えすうちに、最初は小さな損傷であっても膝レベルでダメージが蓄積していくことになります。
その結果、少しずつ軟骨や、半月板などの膝周囲を囲む組織が摩耗して、削り取られてしまい、削り取られた組織の一部のかけらが関節液の中を漂って、滑膜を刺激することになる為、関節液が過剰に分泌される結果につながるのです。
水は抜くべき?抜かないべき?
結論から言うと「抜かない方が良い」ですが、これは、骨折や靭帯損傷などの外傷、感染、関節リウマチ、痛風、偽痛風など以外の時です。
例えば「変形性膝関節症」でも水は溜まります。
そういう場合は、水を抜かず、早期にカラダが吸収してくれるのを待つ方が良いです。
水がたまると、外に向けて圧が大きくなる事と、膝関節が不安定になる為、痛みも強くなります。
なので、整形外科を受診すると必ずと言って良いほど、「水を抜きます」と言われますし、水を抜いたことで楽に歩けるようになります。
しかし、すぐに水がたまるという経験をされた方も多いのではないでしょうか?
当院に来院されていた患者さんの中には、「毎週水を抜いていた」という方もおられました。
水は抜けば抜くほどたまると言えます。
水を抜かない方が良い理由
先ほど、水は抜けば抜くほどたまると言いましたが、炎症が続いている場合、水を抜いてもすぐに水がたまるという意味です。
炎症が無ければ水を抜いても問題はないでしょう。
しかし、炎症が続いているのに、水を抜くよりも炎症を抑える、改善させることの方が重要です。
カンタンに言うと、水は、火災現場で燃えている炎に対して放水する消防車のようなもの。
【炎症=燃えている】に対して【水を抜く=放水しない】という状態は改善しようにもできない状態と言えます。
しかし、水を抜く事で内から外に対しての圧が低下する為、一時的には楽になることもあります。
水を抜かないで痛みが緩和する方法
水がたまると、膝関節が不安定になる事と、内から外に向けて圧がかかる為に、痛みが出やすくなっている状態です。
不安定な状態で歩いたり、座ったり立ち上がったりすることで炎症が引かない状態が続くと、膝の変形も引き起こされてしまいます。
セルフケア
- 炎症が強く夜寝られないという方は、痛み止めを飲んで寝ることも重要です。
- 寝るときや座る時は、膝の裏にクッションなどをはさむようにしてください。
- 膝関節は伸ばし過ぎと曲げ過ぎが負担がかかるので、正座はやめてください。
- 湿布などで冷やすより、うずきますがお風呂などで温めて血行を良くしましょう。
- 膝をかばって体重をかけない方も多いですが、立っている時は痛い方の膝にも体重が乗るように両足で立ちましょう。
セルフケアというよりも、注意事項になってしまいましたが、逆にされている方も多いのです。
笑福整骨院の施術
膝の痛みに対して、膝だけを診るという事はしていません。
カラダ全体のバランスを整えたうえで、膝の状態を整えるという感じです。
施術後に、テーピングや包帯で圧迫することで膝の安定を図り、早期に水が吸収されるようにしています。
必要であれば、水が早く吸収されるテーピングも貼ります。
膝から太ももにテーピングをすることで、膝のお皿や内外の靱帯の動きを助けます。
綿花で膝を上下から挟みます。(写真撮り忘れ)
綿包帯で圧迫固定します。
伸縮性のある包帯でカバーします。
ふくらはぎから太ももの真ん中くらいまで包帯を巻く為に、動き辛いですが膝の安定が図れるため、痛みは緩和します。
可能であれば1~2週間の間は毎日包帯交換した方が回復は早いです。(人によって可能な方にはお勧めしています)
因みに・・・
グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントが売られていますが、効果はあると思いますか?
「The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」という、世界で最も権威のある論文があるのですが、その中の2006年2月に発表された論文です。
日本語に翻訳されたものはこちら
直訳すると「グルコサミン、コンドロイチン硫酸、および2つの組み合わせで、痛みを伴う変形性膝関節症」という表題です。
内容を簡単にまとめると
【変形性膝関節症の患者1583人を5グループに分けて研究】
- グループ1→毎日グルコサミンを投与
- グループ2→毎日コンドロイチンを投与
- グループ3→グルコサミンとコンドロイチンの両方を投与
- グループ4→鎮痛薬を毎日投与
- グループ5→プラセボ群(上記のいずれも投与されない)
どのグループも6ヶ月間投与を続けた結果
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グルコサミンとコンドロイチン、あるいは両方を投与されたグループで膝の痛みは良くならなかった
という結果になったそうです。
効果があれば、医薬品になっているはずですし、「定期購入」という縛りもあるのでイメージ戦略にはまらないように気を付けてくださいね。
まとめ
膝に水がたまるのは何かしらの原因があり炎症を起こすことで、滑膜から関節液が過剰に分泌されている状態で、水を抜くと一時的には楽になる感じがするが、変形性膝関節症の原因にもなる為、可能であれば水を抜かず圧迫固定で膝の安定を図りながら早期に水が吸収されるようにする。
膝は湿布などで冷やすよりも、お風呂や蒸しタオルなどで温める方がうずくが早期に痛みは解消される。
痛み止めは寝れない時に飲むと寝ている間に、回復しやすい環境が作れる。
サプリメントは効果が無い。
もしお困りの方がありましたら一度ご相談ください。
柔道整復師 村西謙一 監修
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